ドーマン・メソッドの「ドッツカード」は知ってるけど、「ドット棒って何?」と思いませんか?
右脳を刺激する「ドッツカード」とどちらかと言えば左脳(右脳要素もあり)を刺激するドット棒。
どちらも数の認識、計算能力、数学的センスを高めるのに効果的だとされています。
ここではドッツカードとドット棒の違いの他、ドット棒の効果、使い方、いつから行うべきかを詳しくまとめました。
記事後半ではドット棒に使える素材をダウンロードできるようにしました。
ドット棒を取り入れてみようかな!という方はぜひプリントアウトして使ってみてください。
※ドット棒の教材はピグマリオンの公式サイトからも購入できます。
ドット棒とは?
↑こちらは手作りしたドット棒です。
ドット棒はピグマリオン実感算数学育法のメソッド。
3×3マス、5×5マス、10×10マスにドットを用いて視覚的に認識がすることで数の量感を実感することできます(数字ではなく)。
10×10マスでは等差数列、十、百、千、万の数の理解と補数関係、1万までの数の加減暗算、かけ算の意味、かけ算の暗算と筆算、わり算の意味、面積、約数、倍数、分数などの理解に役立ちます。
心と能力を同時に育てる独自のピグマリオンメソッドを構築し、幼児から小学校低学年教育に驚異的な成果をあげている英才児養成専門教室。
灘中合格者日本一の浜学園が運営する幼児教育部門「はまキッズ」のカリキュラムは、このピグマリオンメソッドを取り入れている。
ドッツカードとは?
ドッツカードは「グレン・ドーマン博士」が提唱したドーマンメソッドの一部。
ドーマン研究所はもともと脳に障害のある子供の機能回復を研究する施設。
その研究の過程で、脳に障害のある子が健常児の能力を超えて回復する様子を見てきた博士が健常児も同じように優秀にする方法を模索し、それが現在のドーマンメソッドへと繋がります。
ドッツカードは右脳の瞬間的な計算能力を高めるプログラム。右脳に「高速自動処理する計算回路」が築かれていくような働きかけになります。
ドッツカードをフラッシュすることで、数の概念が無意識に頭に入ります。
複雑な計算も頭の中にドッツが浮かぶことで容易にできるようになると考えられています。
ドッツカードとドット棒の違いは?
ドッツカードは右脳メインの働きかけであるのに対し、ドット棒は右脳と左脳の両方を刺激します。
どちらも数字ではなくドッツ(実数)で数の量感を捉える点では一緒ですが、「計算」をより視覚的に把握できるのはドット棒になります。
ドッツカードでは数字の瞬間的な計算とひらめきを刺激し、ドット棒では計算を思考する能力が高まる教材だと言えそうです。
ドッツカードとドット棒、いつから始める?
ドッツカード
新生児から使用することが可能です。
ただし、新生児期、生後3か月~6か月から使う場合、7ヶ月~12ヶ月で行う場合、13ヶ月~18ヶ月で行う場合、18ヶ月~30ヶ月で行う場合、30ヶ月以降で行う場合とそれぞれに目的とやり方が異なります。
ドーマンメソッドではドッツカードを始める時期は早ければ早いほど良いとしています。
ただし、新生児期に行う目的は「視覚・焦点を合わせること」が目的になります。明確な対象を示すことで、視覚の発達を促すのだそう。
算数としての意味を持ち始めるのは生後3か月頃からのプログラムになります。
ドッツカードは1から100までの数をドッツで認識させるプログラムと思われがちですが、実はドッツカード一式には数字や等式も含まれており、足し算、引き算、掛け算、割り算、数列、不等号、等式と不等式、分数、代数、数字、数字を使った等式・・・までをステップ1からステップ5に分けてインプットしていきます。
ドット棒
ピグマリオンでは3~4歳に3×3、5×5マスのドット棒を用意しています。
より複雑になる10×10マスは5~6歳から。
右脳優位の時期が一段落してきた頃にドット棒を活用し始める流れです。
ドット棒では基本、足し算からのスタートになります。
ドッツカードとの併用は必須ではありません。
ただ、ドッツカードで数の量感を先にインプットし、のちにドット棒と併用して計算を視覚的に認識していくのが効果的かな?と個人的には考えています。
ドッツカード、ドット棒ともにとにかく子供を「飽きさせないこと」が大切。
子供の年齢と興味を持った方を優先して使ってみることをおすすめします!
ドット棒の使い方
それではドット棒の使い方をご紹介していきます。
最初にも書きましたが、ドット棒には
- 3×3マス
- 5×5マス
- 10×10マス
の3つがあります。
最初は3×3マスからスタートです。
3~4歳は3×3マスと5×5マスを重点的に使います。
3までの加減法、5までの加減法をきっちり理解することで、10×10マスでの複雑な計算に備える土台を作ります。
ピグマリオンでは特に5の補数関係を重視しているようです。
3×3マスの使い方
基本的には5×5マスも10×10マスも一緒です。
ただ、5×5マス以降は子供自身がドット棒を動かすシーンが増える流れです。
取り組みの最初になる3×3マスは親が動かし、子供に見せていきます。
(計算ができる子は自分で動かしてもOK)
STEP1 3までの認知
3×3マスのシートを置きます。
「1」と言ってドット(青)を1つ置きます。
「2」と言ってドット(青)を2つにします。
「3」と言ってドット(青)を3つにします。
数秒で終わります。1日1~2回程度で、子供の理解に合わせて数日間続けます。
STEP2 3までの足し算
「1」足す、と言ってドットを一つマスに置きます。
「1」は、と言ってドットをもう一つのマスに置きます。
「2」と言って、ドットを最初に置いたドットの上のマスに移動させます。
このように「3」になる足し算を数パターン見せていきます。
「0たす3は3」「1たす2は3」など。
子供が飽きる前にやめることが大切です。1パターンで飽きそうならそこで終了します。こちらも数秒~1分ほどで終わることがほとんどです(我が家の場合)。
STEP3 3までの補数
1+□=3の□(補数)の部分を視覚的に見せていきます。補数は赤で示します。
補数の赤ドットを足して3になるように配置していきます。
この時「0といくつで3になる?3」などと言いながら3にしていきます。
また青ドットでの階段を用意し、子供に補数の赤を置かせて、親が「1と2で3になる」と言葉で伝えたりします。
STEP4 3までの引き算
「3」引く、と言ってドットを3つマスに置きます。
「2」は、と言ってドットを2つ反対側のマスに移動させます。
「1」と言って、マスの上にドットが一つ残る様子を見せます。
このように「3」までの引き算を数パターン見せていきます。
「3引く1は2」「1引く1は0」など。
STEP5 こどもがドットを動かす
最初は基本親がSTEP4までをやってみせ、答えも言います。
次はSTEP1から子供がドットを動かします。
3までの数字でSTEP1~STEP4までがスムーズにこなせるようになったら5×5マスに挑戦となります。
1から3で上記の理解ができていない場合は5×5マスには進みません。理解できていない場合にはSTEPを戻って繰り返します。
併用におすすめ「1はどれ?」
毎日数秒~とはいえ、飽きてくることもあります。
そんな時におすすめなのは1~3個までのものが描かれた図を見せて「1はどれ?」「2はどれ?」とクイズ形式で質問します。
最初はドットがおすすめ。
慣れてきたら子供が興味を持てる絵柄でもよいと思います。
どんな工夫をしても子供の興味を引けなくなったら一旦離れましょう。無理やり継続するとドット棒が嫌いになったり、苦手意識を持たせてしまう可能性があります。
1週間~数週間と間を開けてまた新鮮な気持ちでスタートできた方が効果的だそうです。
ドット棒に使える素材データ
ドット棒は手作りしている方も多いですよね。
私もExcelで手作りしました。
厚紙にプリントアウトしてカットして使っています。
せっかく素材を作ったので同じく手作り派の方に活用して頂けたらと、フリーで素材をダウンロードできるようにしました。
使い方
ダウンロードして、厚紙にプリントアウトするか、段ボールなどの厚紙に張り付けて使います。
A4でちょうどいいサイズにしています。
紙ベースはちょっと・・・という方はマグネットシートに貼るのもおすすめです。
ウチは厚紙にプリントアウトしていましたが、ボロボロになったので今は段ボールに張り付けて使っています!
こちらからどうぞ↓
3×3マス
ドット棒の必要枚数は私自身が使っていて使いやすかった枚数にしています。
下記の素材(PDF)では、1枚ずつのプリントアウトで必要な枚数をカットできるようにしています。※切り取り線はつけていません
3×3マスの土台・・・1枚
【青ドット】
3マス・・・1枚
2マス・・・1枚
1マス・・・3枚
【赤ドット】
3~1マス・・・各1枚ずつ
▼ダウンロードはこちらから▼
3マス×3マス
5×5マス
5×5マスの土台・・・1枚
【青ドット】
5マス・・・1枚
4マス・・・1枚
3マス・・・3枚
2マス・・・2枚
1マス・・・2枚(5枚推奨)※置き換えが不要になるため
【赤ドット】
5~1マス・・・各1枚ずつ
▼ダウンロードはこちらから▼
5マス×5マス
10×10マス
【青ドット】10~6マス・・・1枚ずつ
5~4マス・・・2枚ずつ
3マス・・・3枚
2マス・・・5枚
1マス・・・10枚※置き換えが不要になるため【赤ドット】
10~1マス・・・各1枚ずつ
▼ダウンロードはこちらから▼
10マス×10マス
上記は足し算、引き算、補数を10×10マスで行う場合に便利な枚数になります。
百、千、万・・・の計算については青ドットはもっと枚数が必要になります。
実際、ピグマリオンのドット棒C型(10×10マス)では青ドット100個のシートが24枚付いてきます。
学習の進みに応じてドット棒を増やすなどの調整が必要になります。
より深い学習を進めるには?
ドット棒の使い方についてはピグマリオン学育研究所所長 伊藤恭先生の著書「2歳児のさんすう」に詳しく書いてあります。
10×10マスでの学習を深めたい場合には1冊持っておきたいところです。
ドット棒以外の教材の使い方についても触れていますし、2歳児にさんすうをどのように取り入れるべきかを学べる良書です。
※元々の価格は1,980円です。
それ以上の価格は転売により高値になっている可能性があります。ご注意ください。
まとめ・アウトプットは数年後
長男には0歳児からドッツカードを見せてきました。
でも、3歳~5歳と特に算数が得意な様子もなかったし、計算も早くありませんでした。
でも小学生になった今、足し算がすごく早い。
聞けば頭の中でドッツを動かしてるんだそうです。
長男の場合、インプットからアウトプットまですごいタイムラグがあった、ということになります。
長男の様子を見ていて「ドッツカード効果ないな~」と思い、実は次男にはあまり積極的にドッツカードを見せてきませんでした。
でも今になって長男の話を聞き、慌ててドッツカードとドット棒に取りくんでいます。
余談でしたが、こんな感じでインプットからアウトプットには時間がかかる子もいます。ドット棒やドッツカードは焦らずのんびりと取り組んでみることをおすすめします。
面白味にかけるので、クイズ形式で楽しみながら取り入れてみるのもおすすめです!!
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